外国人雇用に関する情報

外国人雇用に関する情報

- キーパーソンボイス(支援団体など)2 -
日本企業とベトナム人就労者のより良い未来を目指して

特定非営利活動法人MP研究会
事務局長 田中聡彦氏

日本国内やベトナムにおいて展開される支援活動
私たち特定非営利活動法人MP研究会は、主にASEAN諸国の外国人の人材紹介と就労のための教育に取り組んでいます。教育については、例えば日本の企業や団体に就労したい留学生向けの勉強会を実施しています。参加者はベトナム人が多く、毎回20名から30名ほどが学びにやってきます。また、ベトナム現地における取り組みとしては、2007年からベトナムの職業訓練学校と協力し、経済発展に取り残されやすい農村の女性の方々を対象に、手工芸技術の訓練を実施することで、世帯の収入向上や生計改善等に寄与すべく支援を行っています。また、最近ではベトナムの国立建設大学と提携し、日本で働きたい技術者の育成も行っています。

行政書士でもある田中聡彦氏

ふとした想いからはじまったベトナム支援
当研究会の成り立ちは、2000年代初頭にまでさかのぼることができます。PR等を事業としていた企業の中で、自然発生的に「利益を社会に還元をしたい」という意見が出てきて、企業内で寄付金を募り、運営が開始されたのです。その後、2007年ころから本格的にベトナム支援を開始しました。ベトナムでは、まず手工芸を支援しました。井戸掘り等もやっていました。これがさらに発展して2014年以降は、現地の人の仕事をつくるために日本のデザイナーにベトナムの刺しゅうを広めたりしました。その後、国内でのベトナム人とのつながりが増えてきて、同時に日本国内で働きたいという人も増えてきた。それに連動するように外国人を採用したい企業も増えてきたため、就労マッチングがはじまったのです。

ニーズ高まるベトナム人の就労マッチング
2011年からベトナム人の就労に関わってきましたが、最近ではベトナム人の就労希望者がとても増えてきたという印象です。3年くらい前から一気に増えたという印象でしょうか。やはり、理系の人は就職が強いですね。特に、建設系や機械系では企業からの人材ニーズも高いですからね。建設系は採用されすぎて、人材がいないという状況にもなってきています。

留学生にアウトプットの機会を提供する「就活勉強会」
外国人教育の取り組みとしては、参加費無料の「就活勉強会」を定期的に実施しています。ここでは、例えば「日本企業の役割、外国人社員の役割」等を講義形式で学び、さらにそこで感じたことを皆の前で発表するという形式の授業を行っています。外国人は、学ぶ機会はあっても、それを発表やプレゼンテーションという形でアウトプットする機会はそう多くありません。したがって、そのような機会を提供しようというコンセプトではじまったのです。こちらも盛況であり、最近では某銀行とタイアップして合同面接会も行いました。こちらには200名以上の応募者があり、選抜して70名ほどが参加しました。

欠かすことのできない「定着支援」と「企業研修」
私たちがもう一つ、力を入れていることは「外国人就労者の定着支援」です。これは、企業に就職をした外国人に直接面談をして近況をヒアリングしたり、悩み相談等を行うものです。また、雇う側である企業に対する研修にも注力をしています。やはり、外国人を雇用するならば、国籍に応じた「基本的な気質」を知っておき、そこをおさえた対応をしていくことが長期定着には必要だからです。例えば、ベトナム人はメンツを気にするので、みんなの前でしかってはいけない、ほめる時は皆の前で、等があります。外国人雇用は、雇う側と雇われる側の「異文化理解の場」であるのです。

外国人雇用によって生まれるプラスアルファの価値
現状、日本企業には外国人を迎え入れる土壌がしっかりとはできあがっていないと思います。中には、「外国人は安く使える」と考えている人もいます。企業も、外国人雇用について学び、受け入れの準備をまずは整えておくべきだといえるでしょう。外国人雇用によって、日本人同士のコミュニケーションが変わったり、チームワークがアップするといったプラスアルファの価値が生まれる場合もあるので、そこを期待して外国人雇用に取り組むのも良いかもしれません。
体名:特定非営利活動法人MP研究会
所在地:東京都千代田区麹町3-4トラスティ麹町ビル内 裏2F
代表理事:梅田英樹
TEL:03-3556-2344
HP:https://www.mpken.jp/